アヴゴレモノ・スープ / Avgolemono soup

アヴゴレモノAvgolemonoとは、セファルディ料理の卵とレモンを使ったソースのこと。これに野菜や鶏肉、お米を加えたスープをつくります。アメリカなどではギリシャ料理として扱われていますが、もともとはセファルディムと呼ばれるスペインやポルトガルなどの南欧に移住したユダヤ人の料理です。セファラドはヘブライ語でイベリア半島を意味します。旧約聖書のオバデヤ書には、「セバラデにいるエルサレムの捕らわれ人は、ネゲブの町々を獲る[1]日本聖書協会1955年改訳」と地名が書かれています。イスラエルを離れて各地へと散ったユダヤ人の一部はセファラドに定住。彼らは8世紀にイベリア半島を征服したウマイヤ朝時代に栄えましたが、ポルトガル、スペインのレコンキスタ(国土回復運動)の広がりとともに迫害を受けるようになり、北アフリカや西アジアへと移り住んでいきました。そのため彼らの料理は地中海世界へ幅広く伝わったのでしょう。このスープは、エジプトやトルコでもよく食べられます。

●材料・下ごしらえ(4人分)
鶏むね肉…200g
※皮を取り除く
ニンジン…1/2本(75g程度)

※みじん切り
タマネギ…1/2個(75g程度)

※みじん切り
オリーブオイル…大さじ1
水…800ml
鶏がらスープの素…適量
米…1合
卵…1個
レモン汁…80ml
塩…ひとつまみ
白胡椒…少々
レモン…1/2個

※4等分に櫛切り
ディル…4枝

※手でちぎる

●つくり方
1.
鍋に1ℓほどの水(分量外)を入れて火にかける。
鶏むね肉を平らにして横から厚さが半分になるように切り分ける。
肉の両面に塩を振りかけてから耐熱の保存袋に入れる。
お湯が沸騰したら火を止めて、保存袋を入れて蓋をする。
自然に冷めるまで待ち、ぬるくなったら保存袋を取り出す。
袋の中に出た肉汁をボウルにあけて、鶏肉を繊維に沿って手で食べやすい大きさに割く。

2.
鍋にオリーブオイルを引き、タマネギとニンジンを中火で炒める。
タマネギが透き通ってきたら水と米を入れる。
さらに、鶏がらスープの素を、パッケージ記載の目安の分量を参考にして半分ぐらいの濃さになるように加減して加える。
軽くかき混ぜ、沸騰したら鶏肉とボウルに取っておいた肉汁、胡椒を足し、蓋をして弱火で10分煮込む。

3.
ボウルに卵を割り入れ菜箸などでかき混ぜてからザルで漉す。
レモン汁を少しずつ加えながら混ぜていく。
2の鍋の火を止めてボウルの中身をゆっくり回しかける。
全体をひと混ぜしたら深めの皿に盛り付ける。
ディルを散らしてレモンを皿のふちに添える。




References

References
1 日本聖書協会1955年改訳