ウクライナの名物料理、キーウ風チキンカツKотлета по київськиコトレタ・ポ・キーウスキ。ナイフで切ったときにあふれ出す、溶けたハーブバターの香りがたまりません。英語ではChicken Kievチキン・キエフ。この名前でご存知の方も多いのではないでしょうか。ウクライナがソ連からの独立を目指していた1991年8月1日。キーウで行った当時のアメリカ大統領ジョージ・H.W.ブッシュ(パパ・ブッシュ)の演説は、ソ連に留まるよう訴えかける内容でした。その中でウクライナの行為を自殺的民族主義suicidal nationalismと表現。これはウクライナだけでなくアメリカ国内でも批判を浴び、チキン・キエフ・スピーチChicken Kiev speechと呼ばれました。名物料理の名前を掛けてチキンつまり「臆病者」と揶揄したわけです。ウクライナは演説の3週間後の8月24日に独立しました。
この料理は鶏むね肉を薄く切り開き、中にハーブバターを仕込んで揚げるだけなので難しくはありません。
●材料・下ごしらえ(4人分)
鶏むね肉…2枚(500g程度)
※皮と脂肪を取り除く
無塩バター…40g
※常温にしておく
パセリ…4枝
※みじん切り
ディル…4枝
※みじん切り
塩…ひとつまみ
白胡椒…ひとつまみ
薄力粉…大さじ1
卵…1個
パン粉(細かいもの)…30g
チャービル…4枝
爪楊枝…4本
揚げ油…適量(揚げ鍋に注いで2cmほどの深さになるぐらい)
●つくり方
1.バターを練る
小さめの容器にバターとパセリ、ディルを入れて練るように混ぜ合わせる。
均質になったら4等分に分ける。
2.肉を切り開く
鶏肉を横から切り開き、厚みのある部分にはさらに切り込みをいれて、全体を7~8mmの均等な厚さにする。
1枚を半分に切り分け、内側に塩と胡椒を振って擦り込む。
3.肉でバターを包む
広げた肉の手前中央にバターを載せ手前から奥に向かって巻いていく。
左右も内側に折りたたむようにしてラグビーボール型に成形する。
4.揚げる
フライをつくる時の要領で、3の肉に小麦粉、溶き卵、パン粉を順番にまとわせる。
180℃に熱した揚げ油に入れ、ときどき転がして全体に均等な揚げ色が付くまで10~12分程度揚げる。
5.盛り付け
油を十分に切ってから皿に盛る。チャービルを添える。
付け合わせはマッシュポテトや茹で野菜などを。