クリスマスプディングの冒険

The Adventure of the Christmas Pudding and a Selection of Entrées(1960年)
ポアロもの5篇にミス・マープルものの「グリーンショウ氏の阿房宮」”Greenshaw’s Folly”を組み合わせた短編集です。アメリカではこのかたちでの短編集は出版されず、”Double Sin and Other Stories”と”The Under Dog and Other Stories”の2冊の中に分け、他の短編と共に収録されています。[1]「スペイン櫃の秘密」だけは”The Harlequin Tea Set and Other Stories”(1997年)に収録
初版時の原題ではサブタイトル的に”a Selection of Entrées”「厳選されたアントレ」が付いています。アントレというのはフランス語で玄関や入口の意味。かつてはオードヴルとメインの間、あるいはメインの魚と肉の間に出される軽い料理でしたが、現在のフランス語では前菜のことです。hors-d’œuvreオードヴルが小さめの前菜、mise en boucheミザンブシュやamuse-boucheアミューズブシュはさらに小さなひと口サイズの前菜(あるいは口直し)であるのに対して、アントレは大きめの前菜という感じでしょうか。アガサの時代のイギリスでは、前者のメインの間に出される料理です。会席料理の八寸といったところ。短編集なので、メインではないけれど小さくても極上の味を提供してくれるというわけです。ついでですが、アメリカではアントレというとメインディッシュのことだったりします。
序文の冒頭でアガサは、”This book of Christmas fare may be described as ‘The Chef’s Selection’. I am the Chef!”「このクリスマス料理の本は、『シェフの選りすぐり』といっていいでしょう。私がシェフです」と述べているのです。なんとも楽しみな一冊。


▽クリスマス・プディングの冒険The Adventure of the Christmas Pudding
アメリカ版では”The Theft of the Royal Ruby”「 王家のルビーの盗難」というタイトルです。
手の込んだプロットとともに、描かれているイギリスのクリスマスの情景がとても楽しい作品。
クリスマスに近づいたある日、ポアロは、盗まれてしまった某国王家の由緒あるルビーを取り戻してほしいと頼まれます。そこで彼はキングス・レイシイという邸宅へ赴き、レイシイ家の面々とクリスマスを過ごすことになりました。クリスマス・イヴのディナーはというと、カキのスープに栗を詰めた七面鳥のロースト、それに忘れてならないのがクリスマス・プディングです。カキのスープあるいはシチューはイングランドとアメリカ南部ではクリスマスの定番料理。ニューイングランド[2]マサチューセッツなどアメリカ東海岸の6州の人たちは感謝祭のときにこれを食べるのだとか。クリスマス・プディングは日本ではあまり馴染みがないでしょう。ドライフルーツ、特にプラムをたくさん入れるのでプラム・プディングとも呼ばれます。ドイツのシュトレンのようにアドヴェント(待降節)、つまりクリスマスの準備期間に入るときにつくるのが習慣。アドヴェントは12月24日から4つ前の日曜日[3]24日が日曜日の場合は12月3日からに始まります。そのさらにひとつ前の日曜日がStir-up Sundayスタラップ・サンデイ。 ドライフルーツのほかにもアーモンドやオレンジピールなどいろいろと加えた生地を、家族が順番に願い事をしながらかき混ぜるからです。その際に6ペンス銀貨を1枚生地の中へ。切り分けて食べたとき、銀貨を引当てた人には翌年に幸運が訪れるといいます。現在は、コインの他にも指輪、ボタン、指ぬきなどの形のトークンを混ぜ込み、出てきたもので次の年の運勢を占うのが通例です。丸くて深い容器に生地を詰めたら焼かずに蒸してつくります。仕上げにヒイラギの葉を上に載せ、ブランディを回しかけてから火を点け食卓へ。
ポアロたちがプディングを食べ始めると、邸宅の主レイシイ大佐のプディングからは赤いガラス片のようなものが出てきました。それを受け取ったポアロはポケットに潜ませます。調べてみると、みんなが食べるはずだったプディングはその日の朝に手伝いの女性が床に落としてしまい、仕方なくもうひとつ元日用につくっておいたプディングを出したのだそうです。即ち、本来はクリスマスに食べる予定ではなかったプディングが出されたということ。そこからは、子供たちがポアロに対して仕掛けるいたずらとルビーの盗難事件の捜査が重なって展開。徐々に謎が紐解かれていきます。


ポアロは犯人をあぶり出すために罠を仕掛け、もっともらしく言うのは、
“There are many things that are unbelievable.” 「信じられないことはたくさんあります」。さらに
“Especially before breakfast, is it not? That is what one of your classics says. Six impossible things before breakfast.” 「特に朝ごはん前には。でしょ?あなた方の古典にあるように、朝ごはん前の6つのあり得ないこと」と続けます。この古典とはルイス・キャロルの”Through the Looking-Glass”「鏡の国のアリス」(1871年)のことです。これを知らないとちょと意味がつかめません。
時間を逆行して生きる白の女王が、アリスに自分の年齢が101歳と5か月と1日だということを信じるように告げる場面。
 “There’s no use trying.”「そんなの無駄でしょ」
 “One can’t believe impossible things.”「あり得ないことは信じられない」
と言って笑うアリスに向かって白の女王がこう返します。
“I daresay you haven’t had much practice.”「あえて言うけどあなたはまだ訓練が足りないのよ」
“When I was your age, I always did it for half-an-hour a day. Why, sometimes I’ve believed as many as six impossible things before breakfast.”「私があなたぐらいの頃は1日に30分は練習したわ。そうね、朝ごはん前に6つものあり得ないことを信じたことだってあったの」
ポアロは何を思ってこれを引用したのでしょうか。

右:アリスと白の女王

▽スペイン櫃(ひつ)の秘密The Mystery of the Spanish Chest
スペイン櫃と呼ばれているのはどっしりとして大きな箱型の家具。硬い木材で作られ、表面には精巧な浮彫が施されているものが多いそうです。
ポアロは、スペイン櫃事件の新聞記事に興味を示し、自ら調査に乗り出します。その事件とは、リッチ少佐がクレイトン夫妻、スペンス夫妻、マクラレン中佐を招いて開いたパーティで起こりました。急な用事でスコットランドへ出掛けたはずのクレイトン氏が櫃の中で死体となって発見されたのです。状況からリッチ少佐が犯人として疑われますが、疑問を抱いたポアロは順番に関係者から話を聞くことに。するとスペンス夫人が「オセロ」の人間関係を持ち出します。オセロOthelloとは、言わずと知れたウィリアム・シェイクスピアの四大悲劇のひとつ。1602年ごろに書かれたとされ、正式な題名は”The Tragedy of Othello, the Moor of Venice”「ヴェニスのムーア人、オセロの悲劇」です。実はオセロを理解するためには、「ヴェニスのムーア人」の部分をよく知る必要があります。ムーア人というのは、もともとマグレブ(モロッコやアルジェリアなどの北アフリカの広い地域)の人々のことでしたが、その後イベリア半島に侵入して王国を築いていたイスラム教徒を指すようになります。1492年の王国滅亡後は、広くアラブ系、アフリカ系の人々をいわば差別的に総称する意味になっていったようです。ちなみにコルシカとサルデーニャの旗には、ムーア人の横顔が描かれています。何を象徴するのかは諸説あり。

左:ヴェネツイアのドゥカーレ宮殿・聖マルコの象徴のライオンに跪く統領フォスカリ / 右:コルシカの旗

中世、特にルネサンス期のイタリア半島では都市国家が発展します。大国の支配下に入ったミラノやナポリとは別に、ジェノヴァやフィレンツェ、シエナそれにヴェネツィア(ヴェニス)などが莫大な富を生み出していました。しかし、同時に周辺諸国との争いも絶え間なく、軍事力も備える必要があったのです。そのため古くは十字軍時代から、各地での戦いにおいて経験を重ねた兵士たちを傭兵として雇うことが習慣的に行われていたといわれます。そんな傭兵を率いる隊長はcondottieroコンドッティエーロと呼ばれ、お金だけでなく地位や権力も手に入れました。オセロもそのコンドッティエーロのひとり。ただし、当時のヴェネツィアをはじめとしたイタリアの都市国家で外国人、しかも黒人を軍の司令官に据えたという事実はありません。あくまでもシェイクスピアの創作の世界です。
オセロはオスマン・トルコと激しく争っていたヴェネツィアの軍勢を率いてキプロスへ向かいます。物語の主要な登場人物は、オセロの妻デズデモーナ、副官のキャシオ、それにオセロとキャシオを恨むイアーゴです。スペンス夫人はどのような構図を思い描いたのでしょうか。イチゴの刺繍が施されたハンカチは登場しませんが…。
「オセロ」は名著なので、日本語訳もいくつか読みました。しかし、つくづく残念で仕方ないのが、小田島雄志しかり、福田恆存しかり、松岡和子しかりヴェニスを「公国」と書いているところです。これは大きな間違い。そもそも英語のdukeをそのまま公爵と訳してしまったところに問題があります。これはイタリアでは、dogeドージェつまり共和国の元首や統領のことです。ヴェネツィア(ヴェニス)はその長い歴史の中で公国だったことは一度もなく、7世紀から1000年以上も続いた共和国でした。公国がより大きな権力である王や皇帝に臣従する公爵によって治められているのに対し、共和国は完全な独立国家であるところが決定的な違いです。共和国は自らの手で領土、領海を守護しなければならず、そのための軍隊を整えること、優秀な指揮官を配置することは常に重要課題でした。翻訳者の方々は小生など足元にも及ばないほどの素晴らしい能力をお持ちなので、できれば「歴史」は正しく書いていただきたいと思う次第です。

ところで、地元警察でクレイトン殺害事件を担当するのはよくありがちな猪突猛進型の捜査官、ミラー警部。彼は”Cherchez la femme with a vengeance.”「徹底的に『女を探せ』だ」と言います。「女を探せ」はフランスの探偵小説の常套句で、アガサもときどき使っていますね。日本語の「犯罪の影に女あり」の元になった言い回しだとか。vengeanceはそれだけだと「復讐」とか「仕返し」の意味です。これがwith a vengeanceになると「激しい勢いで」、「凄まじく」といった通常の規模や度合いを超えるような状態を表す言葉になります。ちなみに映画「ダイ・ハード3[4]1995年日本公開」の原題は”Die Hard with a Vengeance”です。

▽負け犬The Under Dog
珍しくポアロの忠実な従僕ジョージが、ポアロとともに現場へ同行し活躍?します。
ルーベン・アストウェル卿が何者かに撲殺された事件の調査依頼のために、アストウェル夫人のコンパニオン[5]主にお金持ちや身分の高い女性の話し相手になり身の回りの世話をするための住み込みの雇い人、リリー・マーグレイヴがポアロのもとへ遣わされました。状況からルーベン卿の甥チャールズ・レバースンの犯行が疑われるも、アストウェル夫人は直感的に秘書のオーエン・トレファシスが犯人だと思い込んでいるようです。しかも、リリーはあまりポアロにこの件を引き受けてほしくないような素振りを見せます。興味を抱いたポアロはルーベン卿の屋敷に滞在することを決めました。その邸宅の名前はMon Reposモン・ルポです。フランス語で「私の安らぎ」を意味し、コルフ島にあるかつてのギリシャ王ゲオルギウス1世[6]1863-1913在位の離宮の名でもあります。
亡くなった老人は事業で成功した大金持ちでありながら、とても気難しくて厄介な人物だったそうです。秘書のトレファシスはポアロに対して”Oh! He was a Tartar! …”「ああ!彼はタタールですよ!」と表現します。タタールとは、かつて中央アジアからロシア、東ヨーロッパまでを蹂躙し支配したモンゴル系タタール人のことで、転じて凶暴で怒りっぽく厳格な人の意になりました。調べていくと、西アフリカから戻ってここに滞在中の、ルーベン卿の弟ビクターを含めてそれぞれに動機がありそうです。ポアロは、あの手この手を使って検証し、犯人と目星を付けた人物に罠をかけるのでした。
このお話の原題はThe Under Dogです。これは英和辞典にも「負け犬」の記載があるのですが、英語の本当の意味は違います。負け犬というのは、勝負や競争に敗れてすごすごと逃げ出したり、戦わずして負けを認めて小さくなっている状態のこと。つまりすでに負けてしまっているわけです。これに対してunder dogは、明らかに経験や実績や体格や身分などで大きな差があり、どうみても劣勢で負けそうな様相とか、到底及ばない、太刀打ちできない相手に向かっていく場面のこと。例えば、サッカーの天皇杯でJリーグのチームと対戦することになった高校サッカー部や、横綱との取り組みが組まれてしまった平幕下位の力士などです。歴史を紐解くと旧約聖書のダビデとゴリアテの話[7]サムエル記・上、第17章もあれば、イソップ寓話の「ウサギとカメ」、ペローやグリムの童話「シンデレラ」、トールキンの「指輪物語」、日本の民話「さるかに合戦」など古今東西、そのような物語の設定は数多く見られます。映画では、空手を通じて成長していく少年を描いた「ベスト・キッド」(The Karate Kid・1984年日本公開)や、オリンピックを目指すジャマイカのボブスレーチームの実話「クール・ランニング」(Cool Runnings・1994年日本公開)、ホームレスにまで落ちぶれてしまった男が成功を手にする「幸せのちから」(The Pursuit of Happyness・2007年日本公開)とかでしょうか。でも恐らく最も有名なアンダードッグ映画といえば、「ロッキー」(ROCKY・1977年日本公開)で間違えないかもしれません。「アンダードッグ効果」という言葉があります。不利な立場にあるものを応援したくなってしまう心理のことで、その後押しの結果、大番狂わせを演じることもあり得るわけです。判官贔屓とほぼ同じ意味合いでしょう。第44代のアメリカ大統領となったバラク・オバマは、選挙戦で自らをアンダードッグだと強調して勝利したことでも知られています。ここでは犯人の置かれた立場を表現しているものの、決して応援したくなるという展開ではありません。

左:「ゴリアテの首を持つダビデ」ド・ブーローニュ画 / 右:オバマ元アメリカ大統領

▽夢The Dream
ポアロは、世界有数の大富豪で変人として知られるベネディクト・ファーリーに手紙で呼び出されます。指定された時間に赴くと、執事が秘書コーンウォージィの部屋へ案内。薄暗い室内には特徴的な容姿と身なりのファーリーが待っていました。彼が言うには毎晩同じ夢に悩まされているとのこと。それは、決まった時刻にデスクの引き出しから出したピストルで自殺をするという内容です。しかし、ファーリーはポアロには話が通じないと言って帰らせます。なぜかその際に自分が差し出した手紙を置いていかせるのです。そしてその一週間後、ポアロはファーリーがピストルで自殺したとの連絡を受けます。現場はまさにファーリーが語った夢の通りです。ポアロの小さな灰色の細胞は、ファーリーとの面会時のいくつかの疑問点から巧妙に仕組まれた他殺であることを見抜きます。
コーンウォージィの部屋を出た踊り場の描写にbig old oak settleとあり、「大きな樫の古めかしい長椅子」[8]小倉多加志訳と訳されています。でも、これはよくある間違えです。和英・英和辞典でもそうですが、通訳や翻訳などの英語を職業にしている方の中にも、oak=樫(カシ)と思い込んでいる人がたくさんいます。しかし、これを正しく日本語にする場合は、楢(ナラ)にしなければなりません。どうでもいいと思われる向きもあるかと思いますが、明らかに樹種が別なので適切な訳語を当てるべきでしょう。カシもナラもブナ科コナラ属の樹木です。カシはアカガシ亜属の総称で、アカガシ、シラカシ、アラカシ、イチイガシなどが主な仲間。一方、ナラはコナラ亜属の総称で、コナラ、ミズナラ、クヌギ、アベマキなどがいます。植物の分類というレベルで区別するのは、堅果(けんか)、つまりドングリの殻斗(かくと)、いわゆる帽子の部分の模様の違いです。周りにトゲトゲと突き出していたり鱗状になっているのがナラで、縞模様に見えるのがカシ。でも実際に最大の相違点と言えば、ナラは落葉で、カシは常緑というところでしょう。例外として、紀州備長炭の材料にすることで知られるウバメガシだけは、コナラ亜属の常緑樹です。イギリスや中欧、北欧には常緑のコナラ属はいません。南欧でもカシというと、コルクガシQuercus suberやセイヨウヒイラギガシQuercus ilexなどのいくつかの種に限定されます。なので、家具や建具でオークといえばナラ材のことなのです。なお、総称でのカシを英語で表現する場合はevergreen oakやlive oakという単語があります。

ヨーロッパナラの木と実

▽二十四羽の黒つぐみFour-and-Twenty Blackbirds
タイトルはイギリスの童謡「6ペンスの歌」の歌詞に由来します。でも物語の内容は直接童謡とは関係ありません。ポアロは友人のヘンリ・ボニントンと「ギャラント・エンデヴァ」へ夕食を食べに行きました。そこのウェイトレスのモリイが、常連客ヘンリ・ガスコインのおかしな行動についてこう話します。
“… He never could bear suet pudding or blackberries and I’ve never known him take thick soup—but
on that Monday night he ordered thick tomato soup, beefsteak and kidney pudding and blackberry tart! Seemed as though he just didn’t notice what he ordered!”
「ーあの方はスエット・プディング[9]牛や羊の腎臓周りの脂肪とドライフルーツを使ったプディングや黒イチゴは我慢ならないはずですし、濃厚なスープなんて食べているのは見たことがありません。でもこの前の月曜の晩には、濃いトマトスープ、ビーフステーキとキドニーのプディング、それに黒イチゴのタルトを頼んだんです。まるで自分が何を注文したのか分かっていないように見えましたわ」完全に好みが変わったしまったようだと言ったのです。beefsteak and kidney puddingというのは、ビーフステーキとキドニー・プディングの2種の料理ではありません。カットした牛肉と牛の腎臓を野菜と一緒にグレービーソースで煮込み、生地に包んで蒸したもの。同じようなつくり方でオーブンで焼くのがsteak and kidney pieです。いずれもイギリスではとってもポピュラーな食べ物。知らずに頼んでしまうと「ステーキはどこ?」となるかも。
そのガスコインが自宅の階段から落ちて亡くなってしまい、レストランでモリイの同僚の娘はガスコインが最後に訪れた際に食べたものを思い出します。
“Now let me see, it was mulligatawny soup, that’s right, and beefsteak pudding or was it the mutton?—no pudding, that’s right, and blackberry and apple pie and cheese.”
「さて、そうね、マリガトウニースープ[10]鶏肉とお米を使ったカレー味のスープ、そうだわ、それとビーフステーキ・ブディングだったかマトン。いいえプディング、そうよ、それに黒イチゴとリンゴのパイにチーズ」
要するに二人のウェイトレスが言っていたのは、これまで食べたことがないようなこってり系の料理と黒イチゴを注文していたこと。一体何が起きたのでしょうか。
ポアロはボニントンに謎解きをしながらこのように言いました。
“Four-and-twenty blackbirds baked in a pie! Or blackberries if you prefer to be literal!”
「パイに焼かれた24羽のクロウタドリ[11]blackbirdはクロツグミではなくクロウタドリ!あるいは黒イチゴ、もし忠実にしたければね!」どうやら黒イチゴが解決の鍵のようです。


References

References
1 「スペイン櫃の秘密」だけは”The Harlequin Tea Set and Other Stories”(1997年)に収録
2 マサチューセッツなどアメリカ東海岸の6州
3 24日が日曜日の場合は12月3日から
4 1995年日本公開
5 主にお金持ちや身分の高い女性の話し相手になり身の回りの世話をするための住み込みの雇い人
6 1863-1913在位
7 サムエル記・上、第17章
8 小倉多加志訳
9 牛や羊の腎臓周りの脂肪とドライフルーツを使ったプディング
10 鶏肉とお米を使ったカレー味のスープ
11 blackbirdはクロツグミではなくクロウタドリ