ハンガリーの名物料理といえばなんといってもグヤーシュでしょう。グヤーシュというのは牛飼いのこと。現在のハンガリーの国土の半分以上を占めるのがアルフォルドAlföldあるいはプスタpusztaと呼ばれるハンガリー大平原。古代より様々な遊牧民族が侵入し定着してハンガリーの基礎を築いたところです。グヤーシュはそんな遊牧民が野外で大釜を使ってつくっていた料理なのだとか。正式にはGulyáslevesグヤーシュレヴェシュというのが料理名です。ドイツやオーストリアなど周辺の国々でも普通に食べられていて、メニューに載せているレストランもたくさんあります。でも、どちらかというとドロッと濃厚なものが多いようです。レヴェシュとはスープを意味するので、本場ハンガリーのグヤーシュはサラッとしています。シチューという感じではありません。ハンガリー料理なのでパプリカは必ず入れますが、他の野菜はお好みで。ここでは、現地でよく使う根セロリの代わりにカブを入れます。肉と野菜は同じぐらいの大きさに揃うように切りましょう。
●材料・下ごしらえ
牛肉…400g
※ひと口大に切る
ラード…20g(なければ無塩バター)
ニンニク…1片
※包丁の腹などで叩いて潰し芯を除く
タマネギ…1個
ニンジン…1本
ジャガイモ…1個
カブ…2個
パプリカ…1個
※野菜はすべて1辺が2cm程度になるように切る
クミンパウダー…3g
パプリカパウダー…5g
トマトペースト…大さじ4
▲缶詰などのカットトマト200gでもOK(塩を小さじ1、水を700mlにする)
水…800ml
塩…小さじ1/2
ローリエの葉…1枚
パセリ…4枝
※みじん切り
●つくり方
1.
鍋を中火にかけ、ラードを融かしながら鍋全体にいきわたるようにする。
ラードが半分ほど融けたらニンニクを加え、香りが出てきたところで牛肉を入れる。
肉の表面に焼き色が少し付くまで焼く。
2.
1にタマネギとニンジンを入れて混ぜながら炒める。
タマネギが透き通ってきたらジャガイモ、カブ、パプリカとクミンパウダー、パプリカパウダーを足して全体が馴染んで野菜がしんなりするまで炒める。
3.
水をゆっくりと加えてローリエを足し、中火で煮る。
沸騰したら灰汁を掬い取り、トマトペーストを溶くように入れる。(カットトマトの場合は水と同時)
塩を振りかけて弱火におとし、蓋をして15分ほど煮込む。
4.
深めの皿に盛り付けてパセリを散らす。