シンシナティ・チリ / Cincinnati chili

シンシナティの郷土料理といえばシンシナティ・チリ。アメリカでチリと言えばメキシコ発祥のチリ・コン・カルネChili con carneのこと。肉と豆と野菜を使ったスパイシーな煮込み料理です。でも、シンシナティ・チリはちょっと違います。スパイスを効かせた豆なしのチリをつくり、そこにお好みで具材を追加するスタイルです。お店での注文も”The way system”「ザ・ウェイ・システム」という独特の方法によります。
Two way:チリ+スパゲティ
Three way:チリ+スパゲティ+チーズ
Four way:チリ+スパゲティ+チーズ+タマネギ(または赤インゲン豆)
Five way:全部
このいずれかを選んでオーダー。基本はスパゲティと一緒に食べるものなので、スパゲティ抜きのソースだけになるOne wayを頼む人はまずいません。さらにそこへ丸くて小さいオイスタークラッカー[1]オイスターシチューやチャウダーに添えられていたことからこの名があるを加えて食べるのがシンシナティ流。

シンシナティはオハイオ州の南西端、ケンタッキーとインディアナとの州境近くにあります。オハイオは、4つに分けられたアメリカ合衆国のリージョンregion[2]国勢調査局が指定する地域の、中西部Midwestに含まれ、その一番東に位置。シンシナティは、州都コロンバス、かつて重工業で栄えた北部クリーブランドに次いでオハイオ第3の都市です。スポーツが盛んで、シンシナティ大学のベアキャッツBearcats[3]ビントロング(クマネコ)の意味とゼイヴィア[4]日本語ではザビエル大学のマスケティアーズMusketeers[5]銃士隊(マスケット銃士)の意味は共にNCAA[6]全米大学体育協会における主要スポーツでディヴィジョンI(1部)に所属しており、NFL[7]ナショナル・フットボール・リーグではベンガルズの、MLB[8]メジャーリーグ・ベースボールではレッズ、それにECHL[9]イースト・コースト・ホッケー・リーグではサイクロンズの本拠地になっています。もちろんのこと、どのゲームでもシンシナティ・チリは大人気のスタジアム・フードです。

●材料・下ごしらえ(Five way 4人分)
オリーブオイル…小さじ1
タマネギ…1個
※みじん切りにして1/4は水に晒しておく
ニンニク…1片
※みじん切り
合びき肉…400g
水…100ml
ローリエの葉…1枚
チリパウダー…ひとつまみ
カイエンペッパー…少々
クミン…ひとつまみ
ココアパウダー(甘くないもの)…大さじ1
黒胡椒…ひとつまみ
カットトマト…200g
ウスターソース…大さじ1
ケチャップ…大さじ1
スパゲッティ(乾燥)…400g
赤インゲン豆(水煮・缶詰や紙パックなど)…200g
チーズ(細切り)…200g
クラッカー(小さめのもの・大きければ粗く砕く)…40g

●つくり方
フライパンにオリーブオイルを引き中火にかける。
ニンニクとタマネギの3/4量を炒める。
香りが出てきたらひき肉を入れ、ほぐすように時々混ぜながら炒める。
肉に少し焼き色がついたところで、チリパウダー、カイエンペッパー、クミン、ココア、黒胡椒を振りかける。
全体が馴染んだら、水、カットトマト、ローリエの葉を加える。
沸騰したところで蓋をして、弱火で10分間煮込む。
その間にスパゲッティ用のお湯を沸かしておく。
チリにウスターソースとケチャップを混ぜる。
スパゲッティをパッケージの表示通りに茹でる。
茹で上がったら湯を切り、皿に盛る。
その上にチリをのせて、赤インゲン豆と1/4量のタマネギを散らす。
さらにチーズを振りかけて、クラッカーをのせる。

References

References
1 オイスターシチューやチャウダーに添えられていたことからこの名がある
2 国勢調査局が指定する地域
3 ビントロング(クマネコ)の意味
4 日本語ではザビエル
5 銃士隊(マスケット銃士)の意味
6 全米大学体育協会
7 ナショナル・フットボール・リーグ
8 メジャーリーグ・ベースボール
9 イースト・コースト・ホッケー・リーグ