ハーヴィ・ウォールバンガー / Harvey wallbanger

好きなカクテルのひとつです。日本では知名度が低いですが、アメリカやイギリスでは結構知られています。
つくり方はいたって簡単です。
コリンズグラス[1]背の高い円筒形のグラスでトムコリンズなどを供するためにつくられたにウォッカ1.5オンス、オレンジジュース4オンスを入れ、氷を満たします。そこへガリアーノGalliano0.5オンスを上にのせるように静かに注ぐというもの。かき混ぜずにだします。

うそか本当かわかりませんが、ハーヴィ・ウォールバンガーには命名の物語があります。それによると、カリフォルニアにトム・ハーヴィという、日々サーフィンに明け暮れている男がおりましたとさ。ある日、彼は大きなサーフィンの大会で敗れてしまいます。そこで、行きつけの店でいつものスクリュードライバー(ウォッカ+オレンジジュース)を飲みますが、なかなか気持ちが収まりません。そこでバーテンダーに「その背の高い瓶の酒を入れてくれ」と言って、スクリュードライバーにガリアーノを足してがぶ飲みします。すると、おおいに酔っ払って家へ帰っていきました。ところが、ふらふらと千鳥足になり、壁に頭を打ちつけながら歩いていくので、それを見た人がカクテルに”Harvey wallbanger”と名付けたのだとか。
ガリアーノ[2]19世紀のエチオピア戦争での英雄ジュゼッペ・ガリアーノにちなみますというのはイタリアのリキュールです。細く背の高いボトルで美しい黄色の液体とバニラの香りが特徴。ガリアーノにはこのオリジナルリキュールのほかに、バニラの強いもの、カンパリのように苦みのあるもの、コーヒーリキュール、アーモンドリキュールがあり、どれも同じのっぽのボトル入りです。

六本木の外国人がたくさんやって来るお店でバーテンダーのアルバイトをしていた頃、いわゆる外人助っ人の野球選手たちがときどきお客さんとして来ました。ある夜、当時読売ジャイアンツで活躍していた某元メジャーリーガーに、店へ入ってくるなりこのカクテルをオーダーされて驚いたことを覚えています。その日は打てなかったのかも…。

縦長のグラスの中身を上下に混ぜながら飲むことから、ストローを差します。この飲み物に限らずカクテルに使うときのストローは2本。ふたりで同時に飲めるようにしているのではなく、グラスから直接飲むのと同じ量を口に入れやすくするためです。

できればウォッカはストリチナヤ、生のオレンジを絞ったジュースで。



References

References
1 背の高い円筒形のグラスでトムコリンズなどを供するためにつくられた
2 19世紀のエチオピア戦争での英雄ジュゼッペ・ガリアーノにちなみます