ピンチョス / Pinchos

バスクを中心としたスペイン北部の名物と言っていいでしょう。もちろん、マドリードやバルセロナなどほかの都市でもピンチョスを食べられるお店はあります。でも本場のお店で食べてみたいですよね。ビルバオやサン・セバスチャンを訪れると、仕事と称してバルをはしごしては、チャコリ[1]chacolí北スペイン特産の微発泡性ワイン片手にピンチョスをつまんだりしていました。
ピンチョpinchoはスペイン語で串[2]肉などの焼き串はbrochetaの意味。複数形でピンチョスpinchosとなります。スライスしたパンの上に具をのせて、上から串や楊枝を刺したかたちで提供されるのでこの名です。でも、全部に串が刺さっているわけではなく、パンの上にのせただけのもの、小さい器にはいったもの、サンドイッチみたいなもの、大きな料理を切り分けるものなどお店によりさまざま。ものによっては、オーダーすると温めてから出してくれます。定番のもの以外に、そのお店独自のピンチョがいっぱいあり、目移りしてしまうのが悩みの種。たいていのお店では、それぞれのピンチョに名札が付いていて、料理名や具材が表記してあります。パッと見で何かわからなくても、札を見るとなんとなくどんな味か想像できるようになっているので大丈夫。

バスク、特にビルバオやサン・セバスチャンには、評価の高いレストランが数多くあり、レベルの高い料理学校でも知られています。そのため、若くて才能のある料理人が集まる場所になっていることから、バルめぐりをすればそれぞれ趣向を凝らしたピンチョに出会えるのです。バルでは立ち飲みが基本。それに長っ尻は粋じゃないとばかりに2,3杯飲んだら次の店へ移動というのが当たり前。そんなバルがいたるところにある町は、酒飲みにとってはパラダイスと言っていいでしょう。中にはテーブル席がたくさん用意されていて、ピンチョス以外の料理も一緒にゆっくりと食べられるお店もあり、特にお休みの日のお昼には家族連れでにぎわいます。

ビルバオでバルへ行くならまずは旧市街のヌエバ広場Plaza Nuevaへ。四角い広場を取り囲むようにバルが並びます。新市街の繁華街近くにも有名店がいくつもあるので、ぜひ何軒も回ってお気に入りのピンチョを見つけてください。

References

References
1 chacolí北スペイン特産の微発泡性ワイン
2 肉などの焼き串はbrocheta