ファトゥーシュ / Fattoush

中東のレバノンには、特徴的なファトゥーシュというサラダLebanese Fattoush Saladがあります。
学生時代にアルバイトをしていたお店で、常連客だったTMAレバノン航空の方たちに教えてもらった料理です。レバノンやシリア、ヨルダン、エジプト辺りでは、焼き立てでない(つまりちょっと古くなった)パンをちぎって焼いたり揚げたりして、野菜や豆やヨーグルトなどいろいろな具材とともに混ぜて食べる料理をフェテとかファテと呼びます。
スマックsumacというスパイスを使うのですが、なかなか入手しにくいので、なくてもOKです。もし手に入ったら仕上げに振りかけて食べてみてください。スマックはsumak、smachなどとも表記されるウルシ科ヌルデ属の植物(学名:Rhus coriaria)で、濃い赤の果実を付けます。酸味が強く、古代ローマのころから調味料として利用されていたとか。果実を乾燥させて砕いたものが中東を中心に使われているスパイスです。 

左:スマックの果実


●材料・下ごしらえ(4人分)
ピタパン…2枚(なければほかのパンでも可)
※2~3cmほどの大きさにちぎる
ロメインレタス…大きめの葉6枚
※1辺3~4cmに切る
トマト…1個(200g程度)
※へたを取り、1㎝ほどのさいの目切り
キュウリ…2本
※縦半分に切り、種が気になればスプーンでえぐり取る
 さらに縦半分に切って1㎝幅のいちょう切り
ラディッシュ…6個
※5㎜厚さの輪切り
スペアミントの葉…5枝
※茎から葉だけを取りざく切り
オリーブオイル…大さじ1
スマック…好きなだけ
◎ロメインレタス、キュウリ、ラディッシュは切ってからそれぞれ一度冷水に放し、ざるにあげて水を切っておく

●つくり方
1.ピタパンを炒める
フライパンにオリーブオイルを引き、中火にかける。ピタパンを入れて炒める。
表面がパリッとしたら取り出す。

2.盛り付ける
大きなサラダボウルにロメインレタス、キュウリ、トマト、ラディッシュ、ピタパンを混ぜずに盛り付ける。
ミントの葉を散らす。
食べる直前にドレッシングを回しかけ、全体を和えてから取り分ける。
スマックを振りかけて食べる。
▽スマックはゆかりと味が似ているといわれます。代用していただいてもいいかもしれません。

◆ドレッシング
オリーブオイル…大さじ2
レモン汁…大さじ1
ニンニク…1片
(芯を取りみじん切り)
パセリ…2枝
(みじん切りにして大さじ1程度)
塩…少々
胡椒…少々

※オリーブオイルとレモン汁を合わせてよく攪拌する。ほかの材料を加え混ぜ合わせる。

スマックは様々な料理の調味料として使われます。
でき上がった料理に薬味として振りかけたり、つけながら食べたりしてもいいです。
肉や魚をスマック入りの調味液に漬け込んでから焼くと風味が増します。
●スマックチキン
鶏むね肉(皮なし250gぐらい)に包丁で切り込みを入れながら少しずつ開いていき、1㎝程度の均等な厚さにしてバットにひろげる。
白ワイン(大さじ1)、胡椒(ひとつまみ)、スマック(ひとつまみ)を混ぜて鶏肉の両面にいきわたるようにかけ、軽くもみこむ。落としラップをして冷蔵庫で30分以上置く。
フライパンにオリーブオイル(小さじ1)を引いて鶏肉を入れ、中火で焼く。下面に焼き色が付いてパリパリ感が出てきたら、塩(少々)を振りかけて裏返す。3分ほど焼いたらふたをして弱火で2分程度蒸し焼きにする。
食べやすい大きさに切って皿に盛り付け、焼き汁を回しかけ、スマック(ひとつまみ)を振りレモン汁(小さじ1)をかける。
※塩は調味液には加えず焼くときに片面だけ振ることと、蒸し焼きにすることで鶏肉が柔らかく仕上がります。