ブランズウィック・シチュー / Brunswick stew

このトマトベースのシチューは、アメリカ南部ではとてもポピュラーな料理です。しかし、それがどこで生まれたのかは論争の的になっています。ヴァージニア州ブランズウィック郡とジョージア州ブランズウィック市が互いに自分たちの土地が発祥だと主張しているからです。ブランズウィックというのは、北部ドイツのニーダーザクセン州の都市Braunschweigブラウンシュヴァイクの英語名。ヴァージニアやジョージアの地名となったのは、1714年から始まるイギリスのハノーヴァー朝の開祖であるジョージ1世が、神聖ローマ帝国のブラウンシュヴァイク・リューネブルク選帝侯であったことに由来します。
どちらのシチューもバリエーションは様々ですが、基本的なつくり方に大きな違いはありません。
ヴァージニアのLaurencevilleローレンスヴィルにあるブランズウィック郡空港(空港コードLVL)では、毎年”Taste of Brunswick Festival”「ブランズウィックの味覚祭り」なる催しが開催され 、大鍋でつくるシチューのコンテストに加えて、コンサートや様々なアトラクションで盛り上がるのだとか。もともとはリスやウサギなどの狩猟で獲れた小動物の肉を使っていましたが、現在では鶏肉や豚肉でつくられるのが一般的です。現地ではbaby lima beansという若い緑のリマ豆(インゲンマメ属)を使いますが、日本では手に入り難いので、白インゲン豆で代用します。

●材料・下ごしらえ(4人分)
鶏むね肉…200g
※厚い部分に切り込みを入れて開く
白ワイン…大さじ1

ベーコン…100g
※1cm幅に切る
ニンニク…1片

※薄切り
タマネギ…1個(200g程度)
※みじん切り
オリーブオイル…大さじ1/2
水…400ml
トマト…1個(200g程度・缶詰のカットトマトでも可)

※湯剥きして種を取る
ジャガイモ…2個(300g程度)
※2cmほどの賽の目切り
スイートコーン(缶詰)…50g
白インゲン豆(水煮・缶詰や紙パック)…120g

ウスターソース…大さじ3
ケチャップ…大さじ2
カイエンペッパー…ひとつまみ
白胡椒…ひとつまみ
砂糖…大さじ2


●つくり方
バットに鶏肉を広げ、白ワインを振りかける。
鍋にオリーブオイルを引き、中火でニンニク、タマネギ、ひき肉、ベーコンを炒める。
タマネギが透き通ってきたら水を加える。
沸騰してきたところで鶏肉を広げて入れ、蓋をして火を止める。
鶏肉が手で触れるぐらいの温度に下がったら、鍋から取り出し、指で引き裂くようにしながらひと口大に分ける。
鍋に鶏肉を戻し、ジャガイモとトマトを入れて中火にかける。
沸騰したら弱火におとし、コーン、インゲン豆を足し、蓋をして10分ほど煮込む。
砂糖、ウスターソース、ケチャップ、カイエンペッパー、白胡椒を順番に追加し全体を混ぜたら、さらに5分ほど煮る。
深皿に盛り付ける。