オランダの名物料理のひとつ、ブリンデ・フィンクBlinde Vink。豚ひき肉の牛肉巻きです。料理名は盲目のフィンチという意味。フィンチはヨーロッパでは当たり前に見かける小鳥です。中でも一般的なのは、体長15㎝ほどのチャフィンチchafinch(和名:ズアオアトリ)。かつてはフィンチやナイチンゲールなどはその鳴き声を楽しむためにペットとされていて、鳴くときに気が散らないように核摘出手術によって盲目にしていたのだそうです。それに、この鳥を焼いて食べてることも普通でした。19世紀末に、肉屋が余った肉をひき肉にして薄切り肉で巻き、しっかりとローストした料理を売るようになると、その大きさと見た目がフィンチを連想させ、この名がついたとか。ベーコンでひき肉を巻いたスラフィンクSlavinkというものもあり、こちらはオランダ語のレタスslaによく合うからと名付けられたそうです。ブリンデ・フィンクと同じ料理は、ベルギーでは「頭のない鳥」という意味でフラマン地域[1]フラマン語共同体ではフォーヘル・ゾンデル・コープVogel zonder kop、ワロン地域[2]フランス語共同体では オワゾ・サン・テートゥOiseau sans têteと呼びます。また、フランスのプロヴァンスではアルエット・サン・テートゥAlouettes sans tête(頭のないヒバリ)という料理名です。[3]地域によってはアルエットがモアノーmoineau(スズメ)やピジョンpigeons(ハト)だったりします
●材料・下ごしらえ(4人分)
牛肉…400g(薄切り)
豚ひき肉…200g
タマネギ…1/2個
※みじん切り
卵…1個
パン粉…30g
ナツメグ…ひとつまみ
黒胡椒…ひとつまみ
オリーブオイル…大さじ1
水…160ml
トマトペースト…大さじ4
塩…小さじ1/2
ローリエの葉…1枚
パセリ…2枝
※粗みじん切り
●つくり方
1.肉巻きをつくる
ボウルにひき肉、タマネギ、卵、パン粉、ナツメグ、黒胡椒を入れてよく混ぜ合わせる。
牛肉2枚でひとつ分にするので、肉だねをその数に合うように小分けにし、肉団子をつくっていく。
牛肉を広げて、手前1/3ほどのところに肉団子を置いて巻き取る。
さらに直角に牛肉を置いて巻きつける。
2.ソースをつくる
小さめの鍋に水、トマトペースト、ローリエの葉を入れて中火にかける。
沸騰したら、かき混ぜながら10分ほど煮る。
塩で味を調える。
3.肉を焼く
フライパンにオリーブオイルを引き、肉巻きを並べる。
中火で肉のすべての面に焼き色が付くまで返しながら焼く。
4.仕上げ
皿の半分にトマトソースを広げてその上に肉を並べる。
パセリを振りかける。
皿の空いたスペースにマッシュポテトなどの付け合わせをのせる。