中国料理のホット・アンド・サワー・スープ(Suan La Tang/酸辣汤)をつくります。日本では、ラー油や豆板醤、トウガラシを入れて辛みを出すお店が多いのですが、これは間違い。このスープの本来の辛さは白胡椒によるものです。味の決め手なので、トウガラシ系の辛さになってしまうと別の料理になってしまいます。それと、金針菜という干したホンカンゾウの蕾を加えるのが本場のつくり方とされるようです。ロンドンあたりのチャイニーズでも入れているお店が多いように思います。ホンカンゾウHemerocallis fulva var. fulvaとは、植物の分類としてはススキノキ科ワスレグサ属[1]ワスレナグサではないという余り聞きなれないもの。日本にはニッコウキスゲ(ゼンテイカ)をはじめ自生種を含めた仲間も多く、ヘメロカリスの名で切り花やポット苗で流通している園芸品種があります。英語名はdaylily。台湾の漢方製品ブランドで名前が知られているかも。金針菜は中国食材の店や通販でも入手可能です。間違ってユリの花と記載されていることがあるので確認を。
つくり方は簡単。ここでは金針菜は使いません。干しシイタケの戻し時間を考えて、半日あるいは1日前から準備します。
●材料・下ごしらえ(4人分)
豚肉(薄切り)…200g
※幅1㎝の細切り
木綿豆腐…半丁(180g程度)
※キッチンペーパーで包んで上から重しを載せて水分を絞る
長さ5cm、幅1㎝ほどの短冊切り
ニンジン…1/3本(50g程度)
※長さ5cm、幅1㎝の短冊切り
タケノコ(水煮)…(50g)
※長さ5cm、幅1cmの短冊切り
干しキクラゲ…6枚
※50mlほどの冷水で30分ほどで戻し1㎝幅に切る
(戻し汁は取っておく)
干しシイタケ…4枚
※100mlほどの冷水で3時間以上(できれば5時間ほど)かけて戻し1㎝幅に切る
(戻し汁は取っておく)
青ネギ…10cm
※小口切り
サラダ油…小さじ1
鶏がらスープ…大さじ1
黒酢…大さじ3
米酢…大さじ1
醤油…大さじ2
白胡椒…小さじ1
ゴマ油…小さじ2
卵…2個
※ボウルの中に溶いておく
片栗粉…大さじ1
※水(分量外)大さじ1+1/2で溶く
水…800ml
●つくり方
1.炒める
鍋にサラダ油を引き、中火で豚肉を炒める。
肉の色が白くなったら、ニンジンとタケノコを加えてサッと火を通す。
2.茹でる
水を足して沸騰するまで待つ。
灰汁が浮いてきたら掬い取る。
豆腐、キクラゲとシイタケを戻し汁と共に入れる。
3.味付け
再び沸騰したら、鶏がらスープと調味料を順番に加える。
溶き卵をゆっくり全体に載せるように回しかける。
卵が少しかたまったところで、菜箸を使ってスープ全体大きく回しながら水溶き片栗粉を垂らしていく。
とろみが付いたら完成。
器によそって青ネギを散らす。
References
↑1 | ワスレナグサではない |
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