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あれやこれや

ポアロ煥発

アガサ・クリスティの描く、名探偵エルキュール・ポアロが活躍する物語には短編も数多くあります。中にはその後の長編の布石となる、言わば習作的なお話もいくつか。日本で刊行されている短編集は独自に構成されたものもあり、原書そのままではありません。そんな短編小説集から、その内容を個人的な興味でご紹介します。(早川書房版をベースにしています) ●教会で死んだ男Sanctuary and other stori […]

松本清張 再読

清張に限らず小説には、時間を空けて改めて読んでみると必ず新しい発見があるので楽しいですね。ここでは近年読み返してみた本の中で、「点と線」や「ゼロの焦点」といった名高い代表作ではなく、個人的に印象に残っていて清張ならではだと思う作品をご紹介します。※( )内は単行本として最初に刊行された年度です。 ●花実のない森(1964年)1962年から月刊誌に連載された「黄色い杜」を改題した作品。ドライブを趣味 […]

ポアロ慧敏

アガサ・クリスティの作品の中で、名探偵エルキュール・ポアロが登場する小説を個人的な趣味でいくつかご紹介しましょう。ぜひ読んでいただきたいお薦めの本ばかりです。(内容は早川書房版をベースにしています)最初の作品「スタイルズ荘の怪事件」The Mysterious Affair at Styles(1920年)では、その後相棒を務めることになるヘイスティングズ大尉が彼の見た目をこのように話しています。 […]

聖ゲオルギウス

聖ゲオルギウス(英語:Saint George)というキリスト教の聖人をご存じでしょうか。ヨーロッパでは古くから数多くの絵画や彫刻の題材として扱われ、その多くは白馬に跨った騎士が長い槍で怪物を突いている姿で描かれます。これは「聖ゲオルギウスのドラゴン退治」として、カトリックだけでなく東方正教の世界でも広く知られている逸話です。中世には騎士道精神にもつながる信奉の対象となり、重要な聖人のひとりとして […]

スペードの女王

中学1年生の時に初めて読んだロシア文学が、アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキンАлександр Сергеевич Пушкинの「スペードの女王」[1]岩波書店刊・神西清訳Пиковая дама(ピコヴァヤ・ダーマ)でした。この短編小説は、1834年に発表された文豪プーシンキンの代表作ともいえる作品です。舞台はサンクトペテルブルク。博打好きでありながら倹約家のゲルマンは、カルタ賭博を見 […]

ポアロ英明

アガサ・クリスティの描く英雄義人として知られているのが、小さな灰色の(脳)細胞little gray cells[1]単に細胞で脳細胞を特定していないを駆使して難事件を解決する名探偵エルキュール・ポアロです。33の長編小説と53の短編小説、戯曲「ブラック・コーヒー」”Black Coffee”に登場します。テレビシリーズのデヴィット・スーシェや映画のピーター・ユスチノフのイ […]

ミス・マープル健在

ミス・ジェーン・マープルMiss Jane Marpleはセント・メアリ・ミード村St. Mary Meadに住む編み物好きの老婦人。厳つい警察官には話せないことも小柄なおばあさんには話せてしまうというところが強みです。ポアロと違って明晰な頭脳で推理をするのではなく、持ち前の観察眼と洞察力で、周りの人々と話して得た情報をパズルのように組み合わせ、真実を突き止めていくのが基本スタンス。と思いきやとん […]

メンソール

1980年代に海外で買ったメンソールの紙巻きたばこのパッケージです。 ◆Kelly Halvaret(オランダ)珍しい25本入り ◆Reyno(ドイツ)Salemの海外向けブランド ◆Boule d’Or(ベルギー) ◆Gallia(フランス) ◆Craven(フランス) ◆Royale(フランス) ◆Ariel(フランス) ◆North Pole(スイス) ◆Avra(ギリシャ) ◆ […]

Sick Bag

旅客機に乗ると座席の前のポケットに必ずと言っていいほど備え付けられているものですね。少し珍しい航空会社のものを集めました。 ◆AIR MALTA マルタ航空地中海の小国マルタの航空会社。マルタ十字がかっこいいです。会社の株式のほとんどはマルタ政府が保有しています。A319/A320でヨーロッパと北アフリカの都市に就航。 ◆MALEV(Magyar Légiközlekedési Vállalat) […]

東急名画座

最初は中学2年生の時。1学期の中間テストが終わった日の午後、同級生Wに誘われて一緒に行きました。彼には映画好きの兄がいて、その影響で映画鑑賞が趣味になったそうです。それまで映画はロードショウ館でしか観たことがなく、これが生涯ではじめて訪れたいわゆる名画座。なので鮮明に覚えています。東急名画座は渋谷の東急文化会館[1]現在の渋谷ヒカリエの場所の6階にありました。名画座の持つ場末感漂うイメージとは少々 […]