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植物が好き

メイポール

ヨーロッパ、特にアルプス以北では、冬は暗くて冷たく長い季節です。そして、復活祭も過ぎる頃になると待ちに待った春がやってきます。若葉が萌え花の咲き乱れる春から初夏にかけては一年でもっとも美しく、人々を自由で楽しい気持ちにさせる時期です。5月は英語ではMay、フランス語、ドイツ語ではMai、スペイン語ではMayo、イタリア語ではMaggioとどれも似ています。この言葉の起源は、古代ローマ神話の春を司る […]

カーネーション

誰でも知っている身近な花のひとつカーネションCarnation(学名Dianthus caryophyllus L.)。母の日の贈り物として定着してから久しく、毎年5月に切花や開花株が大量に出回るようになって、現在は年間を通して楽しめる花になりました。カーネションはナデシコ科ナデシコ属の多年草です。よく見かけるのはフリルのような花びらの八重咲きですが、一重の花もかわいくて人気があります。 […]

土壌

植物の生育には土が必要です。空気中や水中に根をのばす一部の植物は別にすると、ほとんどは土の中に根を張り、そこから生長に有効な成分を吸い上げています。植物が健康に育ち、花や実をつけるためにはその基盤となる土が良い状態でなければなりません。ではどんな土が良い土といえるのでしょう。とりあえず手近にある土を触って観察してみるとわかります。色はどんな感じでしょうか。少し水を含んだ状態で黒に近い濃い褐色という […]

トチノキ

5月から6月にかけて花を咲かせる木のひとつがトチノキAesculus turbinata。以前はトチノキ科として独立していましたが、新しい分類ではムクロジ科に含められています。樹高が20~30mにもなる落葉高木で、日本に自生するものの中では大木に育つことから、古くより木材として利用されてきました。ムクロジ科という名はあまり馴染みがないかもしれません。仲間には熱帯のフルーツとして知られるライチーやラ […]

マリゴールド

マリゴールドは、初夏から秋にかけて長い期間に花をつけ、性質も強いので花壇やコンテナの植栽要素として使いやすい植物です。花色は黄色からオレンジが多く、中には赤や白に近いものもあります。ウィリアム・シェイクスピアの作品「冬物語The Winter Tale」のなかでは、「マリゴールド、日没とともにベッドにつき、日の出とともに泣きながら目覚めるThe marigold, that goes to bed […]

ワスレナグサ

可憐な花をたくさんつけて春から初夏にかけての花壇を彩るワスレナグサ。古くからなじみのある鮮やかな水色の花が主流ですが、この頃はピンクや白、紫などの花色もあります。大きくは広がらず、葉も花も小さいことから、どちらかというと脇役という立場で、ボーダーガーデンの前列とかコンテナやハンギングバスケットの寄せ植えによく使われるのではないでしょうか。ワスレナグサの名前は、英語名Forget-me-notから付 […]

フジ

フジは古くから日本人に愛されてきた植物で、初夏を象徴する樹木のひとつです。マメ科のつる性落葉高木。房状の白や薄紫の花が垂れ下がるようなかたちでつくという特徴があります。フジ属の学名・英語名はウィステリアwisteriaです。日本原産のフジは学名では「花がたくさん」という意味のfloribundaフロリブンダ、英語ではJapanese Wisteiraと呼ばれています。19世紀にアメリカやヨーロッパ […]

ラナンキュラス

春に鮮やかな色の花を咲かせる球根草花のひとつが、ラナンキュラスです。このラナンキュラスranunculusというのはキンポウゲ属の総称。ラテン語でカエルを意味するranaが語源とされます。一般にカエルが棲む湿地帯に自生するからといわれますが、そうではなくて、本当のところは葉の形がカエルの足に似ているからその名があるのだと思います。なぜなら、キンポウゲの仲間にはハイキンポウゲcreeping cro […]

キューガーデンズ

イギリスの王立植物園であるキューガーデンズKew Gardensは、ロンドンの中心部から南西のリッチモンド・アポン・テムズに位置します。ロンドンから地下鉄の利用でも気軽に行ける場所にありながら、115万㎡という広大な敷地を持つ世界屈指の植物園です。そこには世界中から集められた3万種を超えるといわれる植物が保存、育成されています。鉄骨とガラスでできた全長110mの大温室パームハウスがキューガーデンズ […]

エニシダ

春から初夏にかけて黄金色の花をたくさんつけるのがエニシダCytisus scopariusです。エニシダ属にはいくつもの種が存在しますが、どれも花や葉の形でそれとわかります。細い枝に細かい葉が密生し、その先にマメ科特有の丸い花が咲いてこんもりとした樹形になるのです。原産はヨーロッパ、北アフリカから西アジアでその多様性は特に地中海地域でみられます。日本にやってきたのは江戸時代の17世紀後半とされ、当 […]