豚肉のアレンテージョ風            Carne de Porco à Alentejana

ポルトガル料理のCarne de Porco à Alentejana豚肉のアレンテージョ風をつくります。アレンテージョというと江國香織の短編集「犬とハモニカ」の一編のタイトルとして知っている人も多いかも。
ポルトガルの首都リスボンで大西洋へ注ぐテージョTejoという川があります。この川を遡っていくと、いずれスペインに入りタホTajoと名前を変え、トレドやアランフェスの町を抜けてさらに東のアラゴン州の水源へ。アレンテージョとは、そのテージョ川の向こう側という意味。つまり主にリスボンの南西の広い地域を指します。一番有名な都市は、歴史地区が世界遺産登録されているエヴォラです。
そのアレンテージョの名前が付いているポルトガルの名物料理がこれ。豚肉とアサリという珍しい組み合わせです。ただし、これはアレンテージョの料理ではなく、本当はポルトガル最南端に位置するアルガルヴェ地方の料理なのだとか。魚介類が豊富なアルガルヴェでは、豚の餌に魚を使っていて肉質があまり良くなかったことから、有名なアレンテージョ産の豚肉を使ったためこの名前になったそうです。

●材料・下ごしらえ(4人分)
アサリの砂抜きは前日からやっておいたほうがいいです。
豚肉…400g(できれば塊のもも肉、カレー用などでも可)
※1辺2~3cmぐらいの大きさに切る
マリネをするので先に準備します。
白ワイン…60ml
塩…ひとつまみ
胡椒…少々
ローレルの葉…1枚
あさり…400g

※十分に砂抜きをしてから、殻をこすり合わせるようによく洗う
 砂抜き≫≫バットの上に敷いた網にアサリを重ならないように並べ、水の量に
 対して3%の食塩を溶いて入れる。水の量はアサリの下半分が隠れる程度。
 新聞紙などでバット上部を覆うようにして冷蔵庫へ。ひと晩以上置く。

ジャガイモ…2個(300g程度)
※1辺2~3cmぐらいのサイコロ状に切る
ニンニク…1片

※半分に切り、芽を除いてからみじん切り
コリアンダー…2枝
(風味付けなので少量・イタリアンパセリでも普通のパセリでも可)
※粗く刻む
レモン…1/4個

※くし切り
オリーブオイル…大さじ1

●つくり方
1.豚肉をマリネ
保存袋またはポリ袋に白ワイン、塩、胡椒、ローレルを入れ、豚肉を加える。
袋の上から全体を揉みながらなじませる。袋からできるだけ空気を抜いて密閉し、冷蔵庫に入れる。
そのまま60分程度置く。

2.ジャガイモを焼く
フライパンにオリーブオイルとジャガイモを入れて中火にかける。
ときどきジャガイモを返しながら、全体に焼き色が付くまで、焦げない程度に揚げ焼きのようにする。
できたら一度皿などに取り出す。

3.炒める
同じフライパンにマリネした液ごと豚肉を入れ、中火で焼く。
肉全体の色が変わたったら、ジャガイモを戻し、アサリを加えて火を弱めの中火にして、ふたをする。
フライパンを少しゆすりながらアサリの殻が全部開くまで待つ。
手でレモンを絞りながら回しかけたら火を止める。

4.盛り付け
深めの皿に盛り付けて、コリアンダーを散らす。

リスボンで食べた薄切り肉にトマトを加えたバージョンも再現してみました

アレンテージョには、コジードCozido(肉やソーセ-ジと野菜の煮込み)、バカリャウ・コン・ブロアBacalhau com broa à Alentejana(戻した干しダラとトウモロコシパン)、エンソパード・デ・ボレゴEnsopado de borrego(仔羊のシチュー)といった郷土料理があります。