ドイツ名物のハックブラーテンHackbratenはミートローフの原型とされる料理です。
この料理は、ファルシャー・ハーゼFalscher Haseとも呼ばれます。「偽りのウサギ」という意味の料理名です。ヨーロッパの多くの国では、毎週日曜日は家族で教会へ行き、みんな揃って昼食を食べる伝統的習慣がありました。イギリスではSunday Roastサンデーローストと呼ぶその食事は、一週間で一番大事でちょっと豪華。午前中に教会へ行ったあと、家族そろっての食事です。家庭によって食べるものが決まっており、大抵は焼いた肉を切り分けて食べます。ドイツではSonntagsbratenゾンタクスブラーテンと呼び、かつてはウサギがよく食べられていました。今はあまり目にしませんが、Hasenpfanneハーゼンプファンネという、小さなバイオリンケースのような細長いヒョウタンのような形状の、ウサギをローストするための専用容器もあります。でも、なかなかウサギが手に入らない状況では、豚や牛のひき肉を代用としてこの容器に詰めて調理したことから料理名があるそうです。ドイツ語でペットにするようなウサギはkaninchenカニンヒェンといい、haseは大型で耳も長いノウサギを指します。
この料理は電子レンジでも作れますが、オーブンのほうが断然おいしいです。
●材料・下ごしらえ(4人分)
Ⓐ
|合い挽き肉…600g
|タマネギ…1/2個(100g程度)
|※みじん切り
|ニンジン…1/2本(75g程度)
|※みじん切り
|卵…1個
|フレンチマスタード…大さじ1
|パン粉…50g
|塩…小さじ1
|黒胡椒…小さじ1
|ナツメグ…小さじ1/2(粉末)
卵…4個
ウスターソース…大さじ1
ケチャップ…大さじ1
醤油…小さじ1
●つくり方
1.卵を茹でる
鍋にたっぷりの水を入れて火にかける。卵は丸い方の真ん中をスプーンなどで叩き少しひびを入れておく。お湯が沸騰したら卵を入れて、中火で8分30秒茹でる。茹で上がったら卵を氷水につけ、殻を剝く。
2.肉だねをつくる
Ⓐの材料をすべてボウルに入れてよくこねる。アルミホイルを敷き、その上に肉だねを広げる。長さは卵を横にして4つ並べて包み込めるぐらい。肉だねを均等に平らにして中心のラインに卵を置き、両側から肉だねで卵を包みかまぼこ状にする。できるだけ卵が真ん中にくるように調整する。アルミホイルでしっかりと押さえるように巻く。さらに上からもう一枚アルミホイルでくるむ。
3.焼く
オーブンを200℃、30分で設定して焼く。
出来上がったら、フライパンの中でアルミホイルを開く。肉を皿かまな板に移して中に溜まった肉汁をフライパンにあける。弱火で肉汁を温め、ウスターソース、ケチャップ、醤油を加えて混ぜる。
4.盛り付け
肉は、一人分に卵がひとつ入るように4つに切り分けて、さらにそれぞれを半分に切る。皿に盛り付けてソースを添える。
Karotten glasiertカロテン・グラシエルト(ニンジンのグラッセ)やKartoffelpüreeカルトフェルピュレ(マッシュポテト)を付け合わせにするのがいいでしょう。