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よれよれ金田一耕助

中学時代に、その当時からからよく通っていた渋谷の大盛堂書店へ行くと、色鮮やかなカバーイラスト[1]横溝正史の世界観を美しく表現した杉本一文による角川文庫版のイラストの文庫本がいくつか並んで平積みになっていました。そこで手にした「獄門島」が初めての金田一耕助。読書好きの母に聞いてみると、横溝や乱歩は好みでないと言ってはいましたが、それでも書架には横溝が5冊ほど。そこから金田一が登場するお話しを読みま […]

シャルティバースチェイ/ Šaltibarščiai

リトアニアの名物料理で、色鮮やかな冷製スープがŠaltibarščiaiシャルティバースチェイ。シャルティは冷たい、バースチェイはボルシチの意味です。リトアニアだけでなく、ラトビアやポーランド、ロシアなどでも食べられています。つくり方は至って簡単。ケフィアという発酵乳とビーツでピンク色になります。ケフィアは発酵する温度が25℃程度なので自家製が用意です。牛乳と混ぜて手軽につくれる種菌も売っています […]

満潮に乗って

Taken at the flood(1948年)エルキュール・ポアロが活躍するアガサ・クリスティの小説の中で、そこまで有名ではないけれども、とても面白くてお薦めできる作品としてご紹介します。ただし、内容はあくまでも利己的視点によるものなのでご容赦を。タイトルは、エピグラフ(題字)に書かれているウィリアム・シェイクスピア作「ジュリアス・シーザー」”The Tragedy of Juli […]

アヴゴレモノ・スープ / Avgolemono soup

アヴゴレモノAvgolemonoとは、セファルディ料理の卵とレモンを使ったソースのこと。これに野菜や鶏肉、お米を加えたスープをつくります。アメリカなどではギリシャ料理として扱われていますが、もともとはセファルディムと呼ばれるスペインやポルトガルなどの南欧に移住したユダヤ人の料理です。セファラドはヘブライ語でイベリア半島を意味します。旧約聖書のオバデヤ書には、「セバラデにいるエルサレムの捕らわれ人は […]

ジェノヴェーゼ ・パスタ/ Pasta alla Genovese

ジェノヴェーゼGenoveseといえば北イタリアはジェノヴァGenovaのものを示す形容詞です。特にバジルを使ったペストPesto alla Genoveseは有名。日本でジェノヴェーゼ・パスタと聞いたらバジルペーストを使ったものを思い浮かべるでしょう。でも、イタリアでジェノヴェーゼ・パスタPasta alla Genoveseといえば、ナポリ名物の、牛肉と野菜を煮込んだソースに和えたパスタのこと […]

ポアロ煥発

アガサ・クリスティの描く、名探偵エルキュール・ポアロが活躍する物語には短編も数多くあります。中にはその後の長編の布石となる、言わば習作的なお話もいくつか。日本で刊行されている短編集は独自に構成されたものもあり、原書そのままではありません。そんな短編小説集から、その内容を個人的な興味でご紹介します。(早川書房版をベースにしています) ●教会で死んだ男Sanctuary and other stori […]

舌平目のムニエル / Sole Meunière

フランス料理の代表格のひとつ舌平目のムニエルSole Meunière。Meunièreとは製粉業者のこと。小麦粉を塗してつくる料理だからでしょう。材料は少なく、つくり方も難しくありません。テレビや著作を通じてアメリカに家庭でできるフランス料理を紹介したことで有名なジュリア・チャイルド[1]1912年~2004年が、フランスで初めてこの料理を食べて感激したというエピソードを聞きました。シンプルで美 […]

リナリア

春に小さくかわいい花をたくさんつけて花壇を彩るリナリアlinariaは、オオバコ科の一年草です。リナリアというのはウンラン属の総称。ウンランとは漢字では海蘭と書き、海岸の砂地に生える多年草です。もともとは地中海沿岸地域に広く分布する性質の強い多年草または一年草でした。日本での園芸種は通常一年草扱いにされていて、リナリアというと一般にはヒメキンギョソウLinaria maroccanaのことを指しま […]

塩豚とレンズ豆の煮込み/Petit Salé aux lentilles

フランス中部に位置するオーヴェルニュAuvergneの伝統料理、塩豚とレンズ豆の煮込みPetit Salé aux lentillesプティ・サレ・オ・ランティーユをつくりましょう。材料となる塩豚はporc demi-selポル・ドゥミ・セルと呼ばれます。demi-selとは塩半分つまり塩分少なめの塩漬けというような意味です。人々は、古代から食材を長持ちさせるための方法として、肉や魚や野菜などの食 […]

グヤーシュ / Gulyásleves

ハンガリーの名物料理といえばなんといってもグヤーシュでしょう。グヤーシュというのは牛飼いのこと。現在のハンガリーの国土の半分以上を占めるのがアルフォルドAlföldあるいはプスタpusztaと呼ばれるハンガリー大平原。古代より様々な遊牧民族が侵入し定着してハンガリーの基礎を築いたところです。グヤーシュはそんな遊牧民が野外で大釜を使ってつくっていた料理なのだとか。正式にはGulyáslevesグヤー […]