AUTHOR

ALBA

舌平目のムニエル / Sole Meunière

フランス料理の代表格のひとつ舌平目のムニエルSole Meunière。Meunièreとは製粉業者のこと。小麦粉を塗してつくる料理だからでしょう。材料は少なく、つくり方も難しくありません。テレビや著作を通じてアメリカに家庭でできるフランス料理を紹介したことで有名なジュリア・チャイルド[1]1912年~2004年が、フランスで初めてこの料理を食べて感激したというエピソードを聞きました。シンプルで美 […]

リナリア

春に小さくかわいい花をたくさんつけて花壇を彩るリナリアlinariaは、オオバコ科の一年草です。リナリアというのはウンラン属の総称。ウンランとは漢字では海蘭と書き、海岸の砂地に生える多年草です。もともとは地中海沿岸地域に広く分布する性質の強い多年草または一年草でした。日本での園芸種は通常一年草扱いにされていて、リナリアというと一般にはヒメキンギョソウLinaria maroccanaのことを指しま […]

塩豚とレンズ豆の煮込み/Petit Salé aux lentilles

フランス中部に位置するオーヴェルニュAuvergneの伝統料理、塩豚とレンズ豆の煮込みPetit Salé aux lentillesプティ・サレ・オ・ランティーユをつくりましょう。材料となる塩豚はporc demi-selポル・ドゥミ・セルと呼ばれます。demi-selとは塩半分つまり塩分少なめの塩漬けというような意味です。人々は、古代から食材を長持ちさせるための方法として、肉や魚や野菜などの食 […]

グヤーシュ / Gulyásleves

ハンガリーの名物料理といえばなんといってもグヤーシュでしょう。グヤーシュというのは牛飼いのこと。現在のハンガリーの国土の半分以上を占めるのがアルフォルドAlföldあるいはプスタpusztaと呼ばれるハンガリー大平原。古代より様々な遊牧民族が侵入し定着してハンガリーの基礎を築いたところです。グヤーシュはそんな遊牧民が野外で大釜を使ってつくっていた料理なのだとか。正式にはGulyáslevesグヤー […]

キーウ風チキンカツ / Kотлета по київськи

ウクライナの名物料理、キーウ風チキンカツKотлета по київськиコトレタ・ポ・キーウスキ。ナイフで切ったときにあふれ出す、溶けたハーブバターの香りがたまりません。英語ではChicken Kievチキン・キエフ。この名前でご存知の方も多いのではないでしょうか。ウクライナがソ連からの独立を目指していた1991年8月1日。キーウで行った当時のアメリカ大統領ジョージ・H.W.ブッシュ(パパ・ […]

シュトレン / Stollen

シュトレンstollenはドライフルーツやナッツを練り込んでつくるドイツの菓子パンです。特にクリスマスを迎える時期のアドヴェント(待降節)の期間に食べるものをクリストシュトレンchriststollenと呼びます。ドイツでシュトレンが最も有名なのは伝統あるクリスマスマーケットでも知られるドレスデン。ここには文化財として製法や品質を保護するためのシュトレン協会が存在し、”Dresdene […]

ボレス・デ・ピコラ / Boles de picolat

スペイン東部のカタルーニャCatalunyaと、隣接する南フランスのルシヨンRoussillon[1]プロヴァンスの村とは別の郷土料理ボレス・デ・ピコラBoles de picolatをつくります。ボレスはボール、ピコラは刻んだという意味です。つまり肉団子。ルシヨンはかつてカタルーニャ公国に属していたので、Catalunya del Nord北カタルーニャとも呼ばれ、現在もフランス語と合わせてカタ […]

ポインセチア

クリスマスが近づくと町中にたくさん出回る植物がポインセチアPoinsettiaです。赤と緑がクリスマスのイメージとして連想され、開花株の鉢植えを中心にして誰もが知るこの時期の定番となりました。最近はピンクやクリーム色のものもありますが、主流はやはり赤です。大きな赤い花びらのように見える部分は苞(ほう)あるいは苞葉(ほうよう)と呼ばれます。これは花の付け根に出る葉のことで、芽や蕾を包んで保護する大事 […]

コロラコーフ・アプール / Kololakov Apoor

古代からの歴史を持つアルメニアは、黒海とカスピ海に挟まれた南コーカサスに位置する国です。そのアルメニア名物料理はミートボール入りスープ、コロラコーフ・アプールKololakov Apoor(アルメニア語Կոլոլակով ապուր)。コロラークがミートボール、アプールがスープの意味。ミートボールにブルガー小麦を加えるところがポイントです。ブルガーの代わりに茹でたお米を使う場合もあります。アルメニ […]

松本清張 韋編三絶

清張に限らず小説には、時間を空けて改めて読んでみると必ず新しい発見があるので驚きます。清張の作品の良さは、読み進めるのが楽しくなるような、より面白くしようとする工夫がふんだんに盛り込まれているところでしょう。ここでは何度も読み返してみた本の中で、「点と線」や「ゼロの焦点」といった名高い代表作ではなく、個人的に印象に残っていて清張ならではだと思う作品をご紹介します。※( )内は単行本として最初に刊行 […]