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pirolin14

アガサ・クリスティと二重の意味のフォリー / Agatha Christie and Folly with a Double Meaning

 アガサ・クリスティが著したポアロものの長編小説、”Dead Man’s Folly”「死者のあやまち」(1956年初版)。よく練られた構成の上質なミステリーなので、アガサをあまり読んでいない人にも読んでほしいお話のひとつといえます。 何しろ意味が深いタイトルなんです。面白いのがfollyフォリーという単語。これには名詞として二つの違った意味があります。ひとつは […]

クライダ / Kulajda

 チェコ共和国は南ボヘミアの郷土料理がクライダです。トロっとしたキノコのスープにクミンとディルで風味を付けるのが特徴。ポーチドエッグを少しずつ崩しながら食べます。ポーチドエッグの代わりに半熟のゆで卵を入れてもOK。キノコの種類もお好みで。 ディル(学名:Anethum graveolens)はセリ科の一年草です。イノンドとも呼ばれ、葉をハーブとして種子をスパイスとして利用します。ここで使うのは葉、 […]

ミス・マープル天誅 / Miss Marple, heaven’s punishment

 ロンドンから南へ25マイルほど離れた小さな村セント・メアリー・ミードに暮らす老婆ミス・ジェーン・マープル。みんなの話をじっくり聞いてそこから真相を導き出すのが得意です。そのうえ、わざと犯人をあぶり出すような小細工を仕掛けることもお手の物というのが素晴らしい。ここでは、つながりのある2つのお話を自分勝手にご紹介します。(内容は早川書房版がベースです) ◆カリブ海の秘密A Caribbean Mys […]

リトアニアのチキンロール / Vištienos vyniotinis

 ラトヴィア、エストニアとともにバルト三国と呼ばれるリトアニア。その国の郷土料理がVištienos vyniotinisヴィシュティニョス・ヴィニョティニスです。鶏むね肉でドライフルーツなどを巻いて湯煎にしてつくります。中身はお好みで構いません。現地でもドライフルーツの代わりに挽き肉やハム、チーズ、ナッツなどを入れる場合があります。 ◆材料・下ごしらえ(チキンロール2個・4人分)鶏むね肉…2枚( […]

ニチニチソウ / Madagascar periwinkle

 夏の花壇を彩る草花の定番のひとつになっているのがニチニチソウです。その名の通り毎日のように次々と新しい花を咲かせ、しかも暑さに非常に強く真夏の炎天下にひときわ元気になるため人気があります。もともとマダガスカルやインドネシアなどの熱帯地域が原産で、キョウチクトウ科の常緑小低木という扱いですが、日本では冬越しが難しいので一年草の仲間です。葉をよく見ると光沢があり厚手でいかにも熱帯生まれという感じがし […]

ポアロ席巻 / Poirot Dominance

 ベルギー人の名探偵エルキュール・ポアロが見事に事件を解決するお話の中からお薦めをご紹介。テレビシリーズ「名探偵ポワロ」のデヴィッド・スーシェの姿でイメージが出来上がってしまっていると思われますが、以前にも書いている通り、小説に登場するポアロは身長が5フィート4インチ(約162cm)と非常に小柄です。卵形の頭をしているものの、禿げてはいません。そしてでっぷりとした肥満体系でもありません。少し頭の中 […]

クレタ / Κρήτη

 クレタ島は、地中海に浮かぶギリシャ最大の島です。島の面積は8,450㎡あり兵庫県と同じぐらいの大きさですが、東西が約260kmもあって非常に細長い形状をしています。そのほとんどが地中海性気候の地域にあり、温暖で穏やかな気候です。南部の沿岸部分は北アフリカの砂漠気候が混じります。地勢は全体に山がちで、島の中央部に位置する標高2,456mのイディ山をはじめ、連なる2,000m級の山々と峡谷、川や湖が […]

アガサの童謡殺人 / Agatha’s Mother Goose Rhyme Murders

 日本のミステリーでは、詩や俳句、物語、その土地の伝説とか言い伝えなどに絡めたプロットをまとめて「見立て殺人」と呼んだりします。アガサ・クリスティの小説にもたくさんあり、特に童謡によるものが有名です。17世紀のフランスでペローによって出版された”Histoires ou contes du temps passé, avec des moralites”「昔ばなしと教訓」と […]

カルド・デ・カマロン / Caldo de camarón

 メキシコやグアテマラで食べられているエビのスープCaldo de camarónカルド・デ・カマロンをつくります。殻付きのエビを用意して、殻で出汁を取りましょう。 これに似たペルーのエビスープChupe de camaronesチュペ・デ・カマロネスは、エバミルクと溶き卵で仕上げる濃厚タイプです。 ●材料・下ごしらえ(4人分)エビ…16尾(殻付き)※エビの頭と殻をはずして背わたを取り除く。 頭と […]

よれよれ金田一耕助 / Disheveled Kosuke Kindaichi

 中学時代に、その当時からからよく通っていた渋谷の大盛堂書店へ行くと、色鮮やかなカバーイラスト[1]横溝正史の世界観を美しく表現した杉本一文による角川文庫版のイラストの文庫本がいくつか並んで平積みになっていました。そこで手にした「獄門島」が初めての金田一耕助。読書好きの母に聞いてみると、横溝や乱歩は好みでないと言ってはいましたが、それでも書架には横溝が5冊ほど。そこから金田一が登場するお話しを読み […]