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あれやこれや

松本清張 韋編三絶

 清張に限らず小説には、時間を空けて改めて読んでみると必ず新しい発見があるので驚きます。清張の作品の良さは、読み進めるのが楽しくなるような、より面白くしようとする工夫がふんだんに盛り込まれているところでしょう。ここでは何度も読み返してみた本の中で、「点と線」や「ゼロの焦点」といった名高い代表作ではなく、個人的に印象に残っていて清張ならではだと思う作品をご紹介します。※( )内は単行本として最初に刊 […]

ポアロ慧敏 / Poirot Wisdom

 アガサ・クリスティの作品の中で、名探偵エルキュール・ポアロが登場する小説を個人的な趣味でいくつかご紹介しましょう。ぜひ読んでいただきたいお薦めの本ばかりです。(内容は早川書房版をベースにしています) 最初の作品「スタイルズ荘の怪事件」The Mysterious Affair at Styles(1920年)では、その後相棒を務めることになるヘイスティングズ大尉が彼の見た目をこのように話していま […]

聖ゲオルギウス / Saint George

 聖ゲオルギウス(英語:Saint George)というキリスト教の聖人をご存じでしょうか。ヨーロッパでは古くから数多くの絵画や彫刻の題材として扱われ、その多くは白馬に跨った騎士が長い槍で怪物を突いている姿で描かれます。これは「聖ゲオルギウスのドラゴン退治」として、カトリックだけでなく東方正教の世界でも広く知られている逸話です。中世には騎士道精神にもつながる信奉の対象となり、重要な聖人のひとりとし […]

スペードの女王 / Пиковая дама

 中学1年生の時に初めて読んだロシア文学が、アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキンАлександр Сергеевич Пушкинの「スペードの女王」[1]岩波書店刊・神西清訳”Пиковая дама”(ピコヴァヤ・ダーマ)でした。この短編小説は、1834年に発表された文豪プーシンキンの代表作ともいえる作品です。舞台はサンクトペテルブルク。博打好きでありながら倹約 […]

ポアロ英明 / Poirot Brilliance

 アガサ・クリスティの描く英雄義人として知られているのが、小さな灰色の(脳)細胞little gray cells[1]単に細胞で脳細胞を特定していないを駆使して難事件を解決する名探偵エルキュール・ポアロです。33の長編小説と53の短編小説、戯曲「ブラック・コーヒー」”Black Coffee”に登場します。テレビシリーズのデヴィット・スーシェや映画のピーター・ユスチノフの […]

ミス・マープル健在 / Miss Marple is still alive

 ミス・ジェーン・マープルMiss Jane Marpleはセント・メアリ・ミード村St. Mary Meadに住む編み物好きの老婦人。厳つい警察官には話せないことも小柄なおばあさんには話せてしまうというところが強みです。 ポアロと違って明晰な頭脳で推理をするのではなく、持ち前の観察眼と洞察力で、周りの人々と話して得た情報をパズルのように組み合わせ、真実を突き止めていくのが基本スタンス。と思いきや […]

メンソール / Menthol

 1980年代に海外で買ったメンソールの紙巻きたばこのパッケージです。 ◆Kelly Halvaret(オランダ)珍しい25本入り ◆Reyno(ドイツ)Salemの海外向けブランド ◆Boule d’Or(ベルギー) ◆Gallia(フランス) ◆Craven(フランス) ◆Royale(フランス) ◆Ariel(フランス) ◆North Pole(スイス) ◆Avra(ギリシャ) […]

エチケット袋 / Sick Bag

 旅客機に乗ると座席の前のポケットに必ずと言っていいほど備え付けられているものですね。この袋は、1949年にアメリカのノースウエストオリエント航空で使用されたのが初めてだそうです。少し珍しい航空会社のものを集めました。 ◆AIR MALTA マルタ航空 地中海の小国マルタの航空会社。マルタ十字がかっこいいです。会社の株式のほとんどはマルタ政府が保有しています。A319/A320でヨーロッパと北アフ […]

東急名画座 / Tokyu Meiga

 最初は中学2年生の時。1学期の中間テストが終わった日の午後、同級生Wに誘われて一緒に行きました。彼には映画好きの兄がいて、その影響で映画鑑賞が趣味になったそうです。それまで映画はロードショウ館でしか観たことがなく、これが生涯ではじめて訪れたいわゆる名画座。なので鮮明に覚えています。東急名画座は渋谷の東急文化会館[1]現在の渋谷ヒカリエの場所の6階にありました。名画座の持つ場末感漂うイメージとは少 […]

ダーティ・ハリー / Dirty Harry

 言わずと知れたクリント・イーストウッドClint Eastwoodの代表作です。日本での公開は1972年。監督は、すでに「マンハッタン無宿」”Coogan’s Bluff”[1]1969年日本公開、「真昼の死闘」”Two Mules for Sister Sara”[2]1971年日本公開、「白い肌の異常な夜」”The Be […]