セーケイカーポスタ / Székelykáposzta

ハンガリー料理の豚肉とザワークラウトの煮込み、Székelykáposztaセーケイカーポスタ(székelygulyásセーケイグヤーシュとも呼ぶ)をつくります。たっぷりのパプリカとサワークリームを使うのが特徴です。
カーポスタはハンガリー語でキャベツのこと。セーケイというのは、主にルーマニアのトゥルグ・ムレシュを中心としたTransilvaniaトランシルヴァニア地方に住むハンガリー系の人たちのことを指します。キャベツと豚肉を好んだ彼らの名が付けられているとかいないとか。もともとセーケイ人はハンガリー王国の各地に住んでいましたが、12世紀ごろからトランシルヴァニアへ集団で移住したそうです。トランシルヴァニアとは、もともとラテン語で森の向こうの土地という意味。ローマ時代にカルパチ山脈の森林地帯の北側にある地域を指してこう呼ばれたそうです。1570年から1711年まで、ハンガリー王国内の半独立国家としてトランシルヴァニア公国が存在していて、ハプスブルク家の統治を経てハンガリーとルーマニアの間の領土問題の舞台となりました。最終的にルーマニアに帰属することに決まったのは、1947年のパリ条約によります。一般にトランシルヴァニアの名前は、吸血鬼ドラキュラの故郷として知られているかもしれません。ヨーロッパだけでなく、世界の各地には古くから残る、人を襲って血を吸う妖怪や怪物にまつわる民話や伝説が数多くあります。それらをもとに、ブラム・ストーカーが描いたのがトランシルヴァニアに住む伯爵が吸血鬼だとする”Dracula”「吸血鬼ドラキュラ」(1897年刊行)です。そのイメージが定着しているからか、トランシルヴァニアと聞くとなんとなく、鬱蒼とした森の奥に恐ろしい魔物が棲んでいそうな感じがつきまとうと感じるのは小生だけでしょうか。

ハンガリーといえばパプリカというぐらいによく知られている組み合わせですね。パプリカは他の大部分のナス科の植物と同様に新大陸からヨーロッパへもたらされました。ハンガリーではパプリカ栽培に適した気候、風土であったため、18世紀ごろから盛んにつくられるようになったのだそうです。日本でパプリカというと大きくて肉厚で甘みのあるものという印象ですが、ハンガリーでは大きさや形はさまざまで、甘口から激辛まであります。特にセゲド産とカローチャ産が品質で優れているとされ、最高級品といわれるのはKalocsa Aranyaカローチャ・アランヤ(カローチャの黄金)という品種です。
料理名についてハンガリーで信じられているのは、この一皿の創作に関わったとされる、19世紀ハンガリーの作家József Székelyヨージェフ・セーケイの名によるという説です。

◆材料・下ごしらえ(4人分)
豚バラ肉…400g(カレー、シチュー用または塊肉を2cm角に切り分ける)
タマネギ…1/2個(100g程度)
※みじん切り
パプリカ…1個(150g程度)
※みじん切り
ベーコン…20g
※1㎝角に切る
ニンニク…1片
※みじん切り
ラード…10g
トマトペースト…大さじ4
ケチャップ…大さじ1
水…1/2カップ
ザワークラウト…300g
ローリエの葉…1枚
キャラウェイ…小さじ1(パウダーでも可)
パプリカ(パウダー)…大さじ1
塩…ひとつまみ
サワークリーム…40g

◆つくり方
1.炒める
鍋を中火にかけてラードを鍋底全体に塗るように溶かす。
ニンニクとタマネギを入れて香りが立つまで炒める。
豚肉とベーコン、パプリカを加えて、肉の色が変わるまでさらに炒める。

2.煮込む
トマトペーストと水、ケチャップ、ローリエを足し、グツグツしてきたら弱火に落とす。
ザワークラウトとキャラウェイ、パプリカパウダー、塩を入れ、全体を混ぜ合わせる。
蓋をして弱火のまま15分ほど煮込む。
※ケチャップを加えることで風味が増します。

3.仕上げ
深めの皿に盛り付け、サワークリームをのせれば出来上がり。