フラメンコの故郷であるスペインはアンダルシア地方の郷土料理”Huevos a la flamenca”「卵のフラメンコ風(フラメンカ・エッグ)」をつくります。起源は定かではないものの、セヴィージャで生まれたらしいです。本来はチョリソとハモンセラーノを使いますが、普通のソーセージとベーコンで代用しましょう。スペインにはいくつもの種類のソーセージがあります。チョリソChorizoは燻製して乾燥させたソーセージで、パプリカを混ぜるのが特徴。日本でよく見かけるチョリソとは違って辛くはありません。似ているのがサルチチョンSalchichónとロンガニーサLonganizaで、パプリカではなく黒胡椒を混ぜ込みます。サルチチャSalchichaは生ソーセージで茹でたり焼いたりして食べるもの。モルシージャMorsillaは血のソーセージです。その他にも地方により名物のソーセージが存在します。
flamencaはflamencoの女性形。フラメンコの女性ダンサー(バイラオーラ)や歌手のことです。この料理の華やかな色合いがそのイメージなのかもしれません。
フラメンコといえばユネスコの無形文化遺産にも登録されているスペインの伝統芸能のひとつ。ただ、スペイン人にとって古くから培われてきた文化というわけではありません。それは、フラメンコが被差別民族だったヒターノ(ロマ[1]インドから移動してきた、いわゆるジプシー)が生み出したものだからです。スペイン語でflamencoとは、「フランドル[2]現在のベルギー北部でフラマン語を話す地域の」を意味します。のちに神聖ローマ皇帝カール5世となってハプスブルク家の広大な領土をる治めることになる、カスティージャ・アラゴン王(スペイン王)カルロス1世は、ブルゴーニュ公フィリップ4世の嫡子としてフランドルのゲント(ガン)で生まれ、17歳になるまでネーデルラント[3]ほぼ現在のオランダとベルギー、ルクセンブルクにあたるで生活していました。しかしスペイン人にとっては遠い異国だったのでしょう。そのためヒターノはフランドルから来たと思われていて、スペイン人は彼らのことをフラメンコと呼びました。それがアンダルシアの民族音楽と融合して生まれたのが音楽としてのフラメンコ。アンダルシアのアンダルシアの名は、8世紀から15世紀までこの地を征服していたイスラム勢力が、イベリア半島を中心とするヨーロッパ大陸の支配地域をアル・アンダルスと呼んだことに由来します。イスラムの最後の砦であったグラナダを含むアンダルシアにはイスラムの文化が根付いていて、フラメンコの独特の音楽スタイルを形作るのに大きな影響を与えたのでしょう。当初はローカルな文化だったものが、1920年代になるとフォラメンコショーのかたちでスペイン全土へと広まり、日本を含めた海外にもその魅力が紹介されるようになりました。そしてフラメンコはスペイン文化の象徴のひとつとなったのです。

●材料・下ごしらえ(4人分)
ジャガイモ…3個(240g程度)
※乱切り
タマネギ…1個(200g程度)
※薄切り
ニンニク…2片
※薄切り
ソーセージ(粗挽き)…6本
※1㎝幅の輪切り
ベーコン(ブロック)…120g
※拍子木切り
オリーブオイル…大さじ2
トマト…1個(200g程度)
※湯剥きして種を取る(缶詰のカットトマトでも可)
水…1カップ
グリーンピース(冷凍)…50g(缶詰でもOK)
卵…8個
塩…小さじ1
黒胡椒…小さじ1
●つくり方
1.野菜を炒める
フライパンにオリーブオイルを引いてニンニクを入れ、中火にかける。
香りが出てきたらジャガイモを加えて炒める。
表面に少し焼き色が付いたところでタマネギを足してさらに炒める。
タマネギが透き通ったら火を止めて、フライパンの中身を取り出す。
2.ベーコンとソーセージを炒める
同じフライパンにベーコンを入れて中火で焼く。
焼き色が付いてきたらソーセージを加え、合えるように30秒ほど炒める。
3.煮る
フライパンに取り出した野菜を戻し、トマトと水を入れて中火のまま加熱する。
沸騰したら弱火にして塩と黒胡椒を振り、全体を均質にするよう混ぜながら1分ほど煮て火を止める。
4.焼く
オーブンを180℃に予熱する。
グラタン皿にフライパンの中身を均等に盛り付け、グリーンピースを散らす。
それぞれの皿に卵を2個ずつ割ってのせる。
オーブンで20分ほど焼く。
オーブンの機種によって違うので、卵の焼け具合を見て時間を調整します。
個人的には、アイキャッチ画像のような、白身が白くなってきて、黄身が固くなる前が好みです。
炒めて、煮てから焼くことでうま味が増します。